Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やまつばき

山椿

山本 周五郎

Lisez 山椿 (やまつばき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 911 caractères · 32 écrans

Aozora Bunko

良三郎は白じらしい微笑をうかべ、人を馬鹿にした調子で悠くり首を振った。

「酒なら御馳走になりますが説教は勘弁して呉れませんか、私にはなにより苦手ですから」

「なにすぐ済むよ」主馬はさりげなく云った、「それはね、これからまじめに勤めて貰いたいということなんだ、私が栗原に頼んで作事方へ呼んだには、それだけの考えもあるし責任も感じている、できるだけ力になるから、ここでひと奮発してみないか」

「然しちょっと高価くつきますぜ梶井さん、相当に高価くつくがいいですか」

良三郎は毒どくしく唇を歪めた。主馬はその顔を審しげに見ていたが、その眼はしだいに平静の色をなくしていった。

「高価くつくとはどういう意味なんだ、もっとはっきり」

「云いましょうか」良三郎は主馬の言葉におっかぶせて、ぐっとあぐらをかいたが、すぐまたにやりと笑った、「だがまあこの次にしましょう、墓の中のことなんか別に急ぐ必要もないでしょう、掘り返してみたところで、死んだ者が生き返る訳じゃあないですからね」

「それは私を脅す意味なのか」

「さあどうでしょう、私が残念なのは、或る人の葬式に立会えなかった、ということなんです、立会っていたら、……さよう、私は棺の蓋を明けましたね」