Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おもいちがいものがたり
思い違い物語
山本 周五郎
Lisez 思い違い物語 (おもいちがいものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 44 840 caractères · 88 écrans
「下りてまいれ無礼者、下りろ」
右衛門は十五六回も片方の足で地面を叩きそれから玄関へとびこんだのであるが、そのあとの事はよく覚えていない、気がついてみると、着替えをして居間に坐って、妻の持って来た茶を啜ろうとしていた。その茶がひどく熱かったので、うっと云ったとたん、初めて自分がそこにいることに気づき、それと同時に言葉がしぜんと口を衝いて出た。
「泰三か、泰三だな、泰三だろう」
「はい、泰三さんでございます」
「うーん泰三か」
右衛門は唸って、それから突然、「なにが可笑しい、なにを笑うんだ」と妻女をどなりつけた。みね女はあっけにとられ、口をあけてぽかんと良人を見た。
「どうなすったんですか、わたくし笑いなんか致しませんですよ」
そのときえへんという咳が聞えた。見ると廊下にさっきの屋上の若侍が来ていた。手に箱のような物を抱えている、背丈は五尺四寸くらいだろう、がっちりと固肥りで、躰重は十六貫ぴんというところか。濃い眉毛も、眼尻もわざとのようにしりさがりで、きれいな白い大きな歯を出して、にこにこ笑いながら、「御挨拶にまいりました、はいってもよろしいでしょうか山治のおじ上」