Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おもいちがいものがたり

思い違い物語

山本 周五郎

Lisez 思い違い物語 (おもいちがいものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 44 840 caractères · 88 écrans

Aozora Bunko

かれらとしては身の安泰を護るためだろうが、その謀議はしんけんな様相を呈してきた。自分たちがどちらかといえば不正な利得をしている関係から、ふだん内心ではそくばく気が咎めないとはいいえない。精神組織が多少とも正常であるなら、幾分かは良心の囁きも聞く筈である。が、一旦そこに摘発される危険が生じたばあい、その心理は猛然として自己主張に変貌する。

――かかる些細な事を取上げるとはなにごとであるか、世間にはもっと大々的な憎むべき悪事が多々あるではないか、にも拘らずわれら如き小事件を追求するとは卑劣である。かかる不正は断じて排斥しなければならない。

こういう理屈になるらしい。しかも底になにほどかの罪の意識があるだけ、かれらの反噬は警戒を要するのである。……ところで話の途中であるが、そのとき一人の新しい人物がはいって来た。まだ若い貧相な男で、右の高頬に長さ二寸ばかりの古い傷痕がある、そのためにうっかりした者が見るとどすのきいた顔にみえるが、そして彼自身も、

――詳しくは云えないがね、相手は五六人だったが、ちょいとした決闘をやってね、向うを斬ってはいけないと思ったもんだからね、なに話すほどのことじゃないのさ。