Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おもいちがいものがたり

思い違い物語

山本 周五郎

Lisez 思い違い物語 (おもいちがいものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 44 840 caractères · 88 écrans

Aozora Bunko

給仕をしていた津留が、もうがまんができないというように失笑した。よほど忍耐していたものだろう。止めようとしても止らないらしく、袖で口を押えながら立ち、笑いながら廊下へ逃げだしていった。すると、それといれ違いに、玄関番の侍がやって来て、「典木さんの泰三さんにお客です」と云った。

「私に客、ああそう」

得たり賢しと彼は立った。右衛門の追求を逃れる絶好の機会である、立ったとき膝で膳を小突いたので、皿小鉢がけたたましく踊り、なにか二つ三つ転げ落ちたが、そんなことに構っている暇はない、誰にともなくおじぎをして廊下から玄関へとびだしてゆくと、そこに――うす暗いのでよくわからなかったが――四五人の若侍が立っていた。

「私が典木泰三です、なにか御用ですか」

「――なにか用かって、ばかにするな」

最前列にいた男がどなった。聞き覚えのある声なので、泰三は式台へ下りて、「なにを怒ってるんです、なにか私が」こう云って相手を覗いて、「――やあ、これは、これはどうも」

高頬に傷痕のある顔を見て、泰三はあいそよく笑って、それからあっと声をあげた。

「やあ失礼、あんたたちか」

「黙れ卑怯者、約束をどうした、えらそうに大言を吐いて、われわれはずっとあの原で待っていたんだぞ」