Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おもいちがいものがたり

思い違い物語

山本 周五郎

Lisez 思い違い物語 (おもいちがいものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 44 840 caractères · 88 écrans

Aozora Bunko

それらはやがて統一されて「大賢人」ということにおちついたが、……これを聞いたとき山治右衛門は寝酒を飲んだ、晩酌は五合と定っていたし、このところ寝酒など飲むことは絶えてなかった。それを敢えてしたには理由があるに違いない。

「お父さまよっぽどお嬉しいのね」

こう云って津留は笑って、眼をくるくるさせた。もちろん皮肉であるが、母や姉には通じない。彼女たちは善良であるから、右衛門の胸中を察し、津留の勘の悪さに驚いたくらいで、「お父さまは嬉しがっているのではありません、内心は怒っていらっしゃるのです」と母親がたしなめた、「――典木さまのことをよくも知らないで、世間の人たちがつまらない悪口を云うので、気を悪くしていらっしゃるんですよ」

「あらそうかしら、わたくしが聞いたのは大賢人ッていう綽名でしたわ」

「それが悪口なんです、本当はその反対の意味で云ってるんですよ、あなたにも似合わない、そのくらいの意地悪がわからないんですか」

「まあそうでしたの」津留はまた眼をくるくるさせて、さも吃驚したように云う、「――大賢の反対ッていうと大愚ですわね、お世辞のうまいこと、わたくしならそんなふうには云いませんわ、わたくしならもっとはっきり」