Classiques japonais avec furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lisez 探偵夜話 (たんていやわ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 140 363 caractères · 277 écrans
鯔の腹から状袋が出た――わたしはそれに一種の興味を感じて、その翌日近所の某氏をたずねた。某氏の土蔵の二階には明治初年の古新聞がたくさんに積み込んであることをかねて知っていたからである。有喜世新聞があるかと訊くと、たしかにある筈だという。そこでだんだん調べてみると、果たして明治十五年五月十八日(日曜日)の有喜世新聞第千三百十号の紙上に、その記事が掲載されていた。その頃の雑報には標題がないので、ぶっ付けにこう書いてあった。
◎鯛を料理 鯉を割きて宝物や書翰を得るは稗史野乗の核子なれど茲に築地の土佐堀は小鯔の多く捕れる処ゆゑ一昨夜も雨上りに北鞘町の大工喜三郎が築地橋の側の処にて漁上げたのは大鯔にて直ぐに寿美屋の料理番が七十五銭に買求め昨朝庖丁した処腹の中から○之助様ふでよりと記した上封じが出たといふがモウ一字知れたら艶原稿の続きものにでもなりさうな話。
これでS君の話の嘘でないことが証拠立てられた。それと同時に、かのお筆という女のゆく末が知りたくなったが、何分にも今から四十年以上の昔のことであるから、その筋の本職の人ならば知らず、われわれ素人には到底探索の方法を見いだし得られそうもない。