Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

「しなゆうき」

支那游記

芥川 竜之介

Lisez 支那游記 (「しなゆうき」) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 859 caractères · 105 écrans

Aozora Bunko

カッフェ・パリジァンを引き上げたら、もう広い往来にも、人通りが稀になっていた。その癖時計を出して見ると、十一時がいくらも廻っていない。存外上海の町は早寝である。

但しあの恐るべき車屋だけは、未に何人もうろついている。そうして我々の姿を見ると、必何とか言葉をかける。私は昼間村田君に、不要と云う支那語を教わっていた。不要は勿論いらんの意である。だから私は車屋さえ見れば、忽悪魔払いの呪文のように、不要不要を連発した。これが私の口から出た、記念すべき最初の支那語である。如何に私が欣欣然と、この言葉を車屋へ抛りつけたか、その間の消息がわからない読者は、きっと一度も外国語を習った経験がないに違いない。

我々は靴音を響かせながら、静かな往来を歩いて行った。その往来の右左には、三階四階の煉瓦建が、星だらけの空を塞ぐ事がある。そうかと思うと街燈の光が、筆太に大きな「当」の字を書いた質屋の白壁を見せる事もある。或時は又歩道の丁度真上に、女医生何とかの招牌がぶら下っている所も通れば、漆喰の剥げた塀か何かに、南洋煙草の広告びらが貼りつけてある所も通った。が、いくら歩いて行っても、容易に私の旅館へ来ない。