Classiques japonais avec furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lisez 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) de 室生 犀星 (むろうさいせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 177 454 caractères · 357 écrans
かれは、いくらか元気をつけるように、
「もう一度やって見るさ、第一此処は場所がわるいんだよ。暗いしじめじめしているしね。」と言って、かれはふいと塔の方へ目を走らせた。八角に削り立てられた尖端に、何かが引っかかっているような気がして仕方がなかった。
「場所も悪いが……今夜はもうだめです。寄ってくる奴がみんな影のうすい奴ばかりなんですから――それに、今夜は妙に腹の減ったような人間ばかりだったんですよ。あそこの瓦斯燈のせいもあったが、蒼白くへんに皆のかおが歪んで見えてね。」と歳太郎は言って、ちょいと瓦斯燈をながめた。その下を一疋の黒い犬がすたすたと歩いて行った。瘠せた骨立った犬であった。
かれはその時まで今も話そうかと思いながら、もじもじしていたが、ふいに口をすべらした。
「昨日ここに身投げがあったというじゃないか。知っているかね。ちょうどこのあたりだよ。」
かれはそう言いながら、老人の頭のように生えた雑草を見た。歳太郎はいやな顔をしたが、
「うん知っていますよ。さっきから私もそれを考えてたんです。ああいうことがあると商売がきっと甘くゆかないものですよ。」と言って、煙草をつけると、