Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 406 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

「今は、泰平の世か、乱世か。これの分らぬ奴は馬鹿である。しかも当、清洲のお城は、四隣みな敵のなかに在る。東に今川義元。武田信玄。北に朝倉義景、斎藤義龍、西に佐々木、浅井。南に三河の松平と――。山ひとえ、川一すじの隣はすべて敵ばかりだ」

気をのまれた形である。彼の声が自信に充ち、また、一個人の感情をいっているのでないから、その大声に気を奪われて、みな思わず聞いていた。

「――そういう状態の中にあってだ。暴風雨がふけば、すぐ壊れるような土塀を、お城の鉄壁とも恃んで、御家中はみな、非常の心構えを弛めずに、四隣を睥睨しておるのだ。……然るに、これぱしの工事に、二十日もかかって、まだのめのめと、悠長な日を費やしておるとは、もってのほかな怠慢。もしこの間隙に乗じて、一夜に襲せて来る敵があったらどうするか」

雄弁は彼の特徴である。ただその持前を余り出しすぎると、饒舌家といわれたり、法螺ふきと思われたり、またか、と人に厭われたりするので、平常は慎んで、なるべく寡黙を守っているのであった。

けれどまた、いう時にはいわなければいけない、とも信じられるので、彼は今、その得意な舌の限り弁じ立てて、周りの者を、聴従させずに措かなかった。