Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 353 caractères · 371 écrans

Aozora Bunko

で、初めは。

その姿を見つけた稲葉山城の兵たちも、味方とばかり思って、附近の薪倉だの、籾蔵などの棟の下で、屯しながら、朝の兵糧を喰って、雑談などしていた。

連日の戦とはいっても、それはこの広い城郭にあっては、大手の正面だけのことで、ここの搦手といったら、ほとんど、閑古鳥や昼時鳥の声さえするほど寂とした天嶮だった。――どうかすると、遠く大手の七曲り口や井之口坂の方で、バチバチ小銃の音が聞えて来たりすることはあるが、搦手を守備しているわずかな兵は、

(やっとるな)

ぐらいなもので、飽くまで、ここらは戦争圏外と心得ていた。

兵糧をつかいながら、藤吉郎たちの影を眺めていた斎藤家の兵は、それでもやがてふと、不審そうな眼を向け始めた。

「おい。何だろ」

「あれへ来た衆か」

「むむ。……変にうろうろしておるじゃないか。あれ、柵際の番所を覗いておるぞ」

「お表から誰方か見廻りに来られたのだろう」

「誰方だろう」

「さ? ……平時とちがって物の具をつけると分らなくなる」

「オヤ。……一人が竃部屋から燃えさしの薪を持って行ったぞ。何をなさるつもりだろう」

箸を持ったまま、見ていると、火のついた薪を持って走った一人は、薪倉の中へはいって山と積んであるそこの柴へ火を放け始めた。