Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Lisez 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 240 656 caractères · 478 écrans
もう中日はすぎていたが、団十郎と上方くだりの女形、上村吉三郎の顔合せが珍しいところへ、出しものの狂言そのものが団十郎自作というところから、人気に人気をあおって、まこと文字通り大入り大繁昌でした。
「兄さん、下総の筵芝居とはちと違いましょう?」
「人前で恥をかかすものじゃねえ。下総、下総と大きな声で言や、田舎もののお里が分るじゃねえかよ。それにしても梅甫さん、江戸ってところは、よくよく閑人の多いところだね」
小芳を真中にして、幕のあくのを待ちながら、三人むつまじく話し合っているところを、
「ちょっとご免やす」
変なところを通る男があればあるものです、すぐそばに花道もあることだし、横には桝目の仕切り板もあることだから、わざわざ三人の真中を割って通らなくてもよさそうなのに、幇間風の男が無遠慮にも小芳の肩を乗りこえて、ひょいと大きく跨ぎながら通り越しました。
咄嗟に首をまげてこちらは避けたが、向うは故意からか、それとも跨ぐはずみからか、その裾がひらりと舞うように小芳の結い立ての髪に触れて、見事に出した小鬢をゆらりとくずしたからたまらない。――梅甫の声が咎めるように追いかけました。