Classiques japonais avec furigana
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にほんばし
日本橋
泉 鏡花
Lisez 日本橋 (にほんばし) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 697 caractères · 177 écrans
お孝は、離さじ、とただ黙って葛木に縋る。
「や、ここにも一人。」
警官は驚いた。露地の出口の溝の中、さして深くもない中に、横倒れに陥って死んでいたのは茶缶婆で、胸に突疵がある。さては赤熊が片附けた。
これが為に、護送の警官の足が留って、お孝は旅僧と二人、可懐しそうに、葉が差覗く柳の下の我家に帰る。
清葉の途中で立停ったのを見て、お孝が判然した声で云った。
「姉さん、遺言を聞いて下さい。」
「はい。」
と答えた。二人は柳の軒燈に、清葉はその時、羽目について暗く立った。
「お孝さん、蔵も今しがた落ちました。」
と云って、実際目ぬりが届かないで、助ったつもりの蔵、中には能衣装まであると伝えた。が開いたのであった。
坊やを胸に、すっと出て、
「身に代えまして、清葉が、貴女になりかわって。」
その時三人が皆泣いた。
「お千世さんは、」
「ああ、お千世。」
余りの事に呆果てて、三人は茫然とした。中にも旅僧は何をトッチたか、膝で這廻って、雛芥子の散った花片の、煽で動くのを、美しい魂を散らすまいとか、胸の箱へ、拾い込み拾い込みしたのである。
信八郎氏が先ず一人で入って来た。