Classiques japonais avec furigana
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にほんばし
日本橋
泉 鏡花
Lisez 日本橋 (にほんばし) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 697 caractères · 177 écrans
十六
潜って流れた扇子の余波か、風も無いのにさらさらと靡く、青柳の糸の縺れに誘われた風情して、二階にすらりと女の姿。
お孝は寝床を出た扱帯。寛い衣紋を辷るよう、一枚小袖の黒繻子の、黒いに目立つ襟白粉、薄いが顔にも化粧した……何の心ゆかしやら――よう似合うのに、朋輩が見たくても、松の内でないと見られなかった――潰島田の艶は失せぬが、鬢のほつれは是非も無い。
生際曇る、柳の葉越、色は抜けるほど白いのが、浅黄に銀の刺繍で、これが伊達の、渦巻と見せた白い蛇の半襟で、幽に宿す影が蒼い。
十六
と……思ったほどは窶れも見えぬ。
病気のために失心して、娑婆も、苦労も忘れたか、不断年より長けた女が、かえって実際より三つ四つも少ないくらい、ついに見ぬ、薄化粧で、……分けて取乱した心から、何か気紛れに手近にあったを着散したろう、……座敷で、お千世がいつも着る、紅と浅黄と段染の麻の葉鹿の子の長襦袢を、寝衣の下に褄浅く、ぞろりと着たのは、――かねて人が風説して、気象を較べて不思議だ、と言った、清葉が優しい若衆立で、お孝が凜々しい娘形、――さながらのその娘風の艶に媚かしいものであった。