Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 158 540 caractères · 319 écrans

Aozora Bunko

鈍い人間でないことは、多年の経験上、半七には一と目で判っていた。それだけに半七の不審はいよいよ募って来た。

「今も申し上げました通り、もし本当の神隠しならば格別、さもなければきっとわたくしが探し出して御覧に入れますから、まあ御安心くださいまし」と、半七は捜索を入れるようにきっぱりとこう云い切った。

「では、なにかお心当りでもありますか」と、平助は訊き返した。

「さあ、さし当りこうという目星も付きませんが、わたくしも多年御用を勤めて居りますから、まあ何とか致しましょう。生きているものならきっと何処かで見付かります」

「そうでしょうか」と、平助はまだ打ち解けないような眼をしていた。

「これからどちらへ……」

「どこという的もないが、ともかくも江戸じゅうを毎日歩いて、一日も早く探し出したいと思っているので……。お前さんにも何分たのみます」

「承知いたしました」

半七に別れてすたすた行き過ぎたが、平助は時々に立ち停まって、なんだか不安らしくこちらを見返っているらしかった。その狐のような態度がいよいよ半七の疑いを増したので、彼はすぐに平助のあとを尾けようかと思ったが、真っ昼間では工合が悪いので先ず見合わせた。