Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さくらじま

桜島・日の果て・幻化

梅崎 春生

Lisez 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 169 810 caractères · 345 écrans

Aozora Bunko

あの一軒に花田がいるのだと思った。略刀帯を上にしごき上げながら高城に言った。

「お前はただ俺について来い」

高城が右手で腰の拳銃を押えているのを彼は見た。高城は彼の方を見ず、一心に部落の方を眺めていた。顔が能面のように白く、不気味な艶が滲み出た脂肪の上にきらめいていた。

「一番奥の家です」

宇治は手を挙げて高城を制そうとしたが、思いなおしたように深い呼吸をし、そして先に立って部落の方へ歩き出した。靴がかつかつと鳴った。最初の小屋の入口が大きく開いていて、そこから低い声が聞えて来た。宇治は立ち止り、そして入口から覗き込んだ。

「花田中尉は居ないか」

枝打ち透かす日の色が赤く土間を彩っているのだが、そこに女が一人いた。蓆のようなものを床に敷いて何か低い声で呟いている。簡単な洋装だが髪の形といい顔の様子といい、明かに邦人の女である。髪は乱れて頬に垂れ、指でしきりに蓆の端をむしっているのだが、宇治の声にも気を止めぬらしく、眼を大きく見開いたまま呟き止めない。そしてふと明るみにむけて上げた顔はまだ若々しく、はっとする程美しかった。

「誰も外に居ないのか」

宇治は何か脅えるような気持にそそられ、背中を入口の柱にずらせながら内部の土間に身体を入れた。