Classiques japonais avec furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Lisez 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 154 788 caractères · 299 écrans
あろう。殊に私の官能を刺戟して、餓えたる私をして堪えざらしめたのは、青春の香を撒きちらしながら女の友達と、群れつどう学友たちであった。
女……女……ああ、美しき女たち! どんなにかそれは甘美であり、優雅であり、生活の旋律、男の力……生きる男の生命そのものでさえあったであろう。が、しかし、あれほどまでに親しかったフロールでさえ、親しいと考えていたのは私の自惚で、フロールはただ憐愍と同情とを一人の不具者に恵んでいたにすぎなかったのだ。不具者を愛する好奇な女なぞが、所詮、この世のどこに住んでいようものぞ! いわんや女との交際には、昔のフロールとの世界に学芸会があったように、舞踏と社交との及び難き二つの世界がある。一歩は高く一歩は低く、猿猴のように肩で調子を取って歩む身体に、燕尾服を着けて跛を曳き曳き舞踏場の嵌木細工を踏む、社交界の笑われ者……ぶざまな道化の不具者!
夢から醒めたように淋しく爪を噛みながら、また私は書物の上に眼を伏せた。所詮不具者の世界には、ただ書物を通して友達に憧れ、女に憧れる道が残されているばかりであった。かくして烈しく人を恋い女を恋いながら、大学の三年間私はあり余る情熱のことごとくをただ書物に打ち込んで、私の話し相手というのは少年の昔そうであったごとく、今も老いたる支配人のアロンゾ・マジャルドー