Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いんじゅうトリステサ

橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇

橘 外男

Lisez 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 154 788 caractères · 299 écrans

Aozora Bunko

それで……それで貴方は何の罪もない悲哀をあんな酷い目にお合わせになりましたのね? 仰ることがおありでしたら、なぜ面と向って私に仰いませんのでしょう……? 可哀そうに何の罪咎もない悲哀にお当りになるなんて! まあなんて卑怯な方なんでしょう」

跛を曳きつつ恐ろしそうに、私の側を摺り抜けて傍へ寄って来た悲哀を、

「おお可哀そうに! さあさあ、お出で」とさも愛しそうに彼女は抱き上げた。

「ドローレス……私は口が下手だから思うことが言えないが、私は決してお前を怒っているのではないのだ……私はお前には」

「立ち聞きをなすっといて私が叱られては堪りませんわね」とピシッと彼女は極め付けた。そして手を挙げて二階を指ざした。

「貴方! お客様がいらっしゃいますのよ。恥だとはお思いになりません? こんな騒ぎをなすって恥だとは……」

彼女は深呼吸でもするように胸を張って、一つ大きく息を吸い込むと……また繰り返すようではあるが、それが高度の社交性とでもいうのであろうか、自分の胸一杯もある大きな悲哀を抱いたまま、そのまま静かに、また階段を上って行ってしまったのであった。

階段の下に私だけが取り残されて――しかもその私は頭髪を掻きむしってネクタイは引ん曲り、灰皿を掴んで、見て見ぬ振りをしている召使たち環視の中で、妻に立ち聞きを極め付けられて