Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ししゃのしょ

死者の書

折口 信夫

Lisez 死者の書 (ししゃのしょ) de 折口 信夫 (おりくちしのぶ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 62 340 caractères · 126 écrans

Aozora Bunko

父は男壮には、横佩の大将と謂われる程、一ふりの大刀のさげ方にも、工夫を凝らさずには居られぬだて者であった。なみの人の竪にさげて佩く大刀を、横えて吊る佩き方を案出した人である。新しい奈良の都の住人は、まだそうした官吏としての、華奢な服装を趣向むまでに到って居なかった頃、姫の若い父は、近代の時世装に思いを凝して居た。その家に覲ねて来る古い留学生や、新来の帰化僧などに尋ねることも、張文成などの新作の物語りの類を、問題にするようなのとも、亦違うていた。

そうした闊達な、やまとごころの、赴くままにふるもうて居る間に、才優れた族人が、彼を乗り越して行くのに気がつかなかった。姫には叔父、彼――豊成には、さしつぎの弟、仲麻呂である。その父君も、今は筑紫に居る。尠くとも、姫などはそう信じて居た。家族の半以上は、太宰帥のはなばなしい生活の装いとして、連れられて行っていた。宮廷から賜る資人・仗も、大貴族の家の門地の高さを示すものとして、美々しく著飾らされて、皆任地へついて行った。そうして、奈良の家には、その年は亦とりわけ、寂しい若葉の夏が来た。

寂かな屋敷には、響く物音もない時が、多かった。