Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひとうとうこうき

比島投降記

石川 欣一

Lisez 比島投降記 (ひとうとうこうき) de 石川 欣一 (いしかわきんいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 68 333 caractères · 134 écrans

Aozora Bunko

と口返答をする。栓を押して出ないのは、袋の中に水が無くなっているからである。無い水は無い。もし水があるとすれば、それに飯盒を入れてはリスター・バッグが何の役にも立たぬことが分らぬとは、マラリアの高熱か何かで、頭が変になったのだろう。

頭が変といえば、こちらも随分ボンヤリしていて申訳ない話だが、何でも二十三日だかに、病院が全部アパリに移ることになった。通訳としてH君が行くというので、僕はゴロゴロしていたら、突然「もう一人のインタープレターやって来い」と大きな声が聞えた。どういう理由か知らぬが、H君はやめになり、僕が行くことになったのである。大した荷物がある訳ではなし、毛布と寝袋(これはバギオでカーキー地を買ってつくった。登山用のシュラーフ・ザックから思いついたので、逃避行にはとても便利だった)をT中尉の部下に巻いて貰い、もうエンジンをかけて待っている中型トラックに乗ると、あまり若くない米兵が僕の向いに腰をかけ、トラックは走り出した。衛生兵五名に一般使役兵六名が、すでに乗っていたので、僕は一番尻に、辛うじて腰を下したのである。警乗兵も僕も黙っていたが、やがてトラックが物すごい穴を突破し、僕は跳上げられズックの屋根で頭をぶった。