Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひとうとうこうき

比島投降記

石川 欣一

Lisez 比島投降記 (ひとうとうこうき) de 石川 欣一 (いしかわきんいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 68 333 caractères · 134 écrans

Aozora Bunko

と入って来た。Pは戸棚の一つをあけて、厚さ五寸、直径二尺くらいのまるくて平べったいチーズを出した。それを大きく切って僕に食えという。ついでにビールも一本くれた。B中尉やPとは乗艦以来何等かの交渉があったが、卵料理をした水兵とは、この時はじめて口をきいた。そんな人達が、まるで学校の友達が遊びに来た時みたいに、大事にしてくれる。僕はPWであり、こんなに大事にして貰う理由はすこしもないのである。大事にされればされる程自分自身が、また捕虜を虐待したり殺したりしたという日本人が、小さくなって行くような気がして、やりきれなくなるのだった。

翌朝は早くから無数のバンカが二隻の軍艦を取りまいた。PWは乗艦し、百二、三十名のいわゆるゲリラも便乗した。「いわゆる」というのは、この人達が本当のゲリラでなく、避難者であることがすぐ分ったからである。「五百人いるといったが、どこへ行ったのだ」と艦長が艦まで来た町長に質問したら、バンカでどこ迄行ったとか、歩いて行った者が何人いるとか答えていた。

PWの人達は山越をして来る途中、所持品を食物と交換し、ほとんど無一物でカシグランに着いた。