Classiques japonais avec furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lisez 浮雲 (うきぐも) de 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 980 caractères · 222 écrans
を言い、事をしたから、人々があたかも平生の我よりは優ったようで、お政のような婦人でさえ、尚お何処か頼もし気な所が有ったのみならず、却ってこれが間に介まらねば、余り両人の間が接近しすぎて穏さを欠くので、お政は文三等の幸福を成すに無て叶わぬ人物とさえ思われた。が、その温な愛念も、幸福な境界も、優しい調子も、嬉しそうに笑う眼元も口元も、文三が免職になッてから、取分けて昇が全く家内へ立入ったから、皆突然に色が褪め、気が抜けだして、遂に今日この頃のこの有様となった……
今の家内の有様を見れば、もはや以前のような和いだ所も無ければ、沈着いた所もなく、放心に見渡せば、総て華かに、賑かで、心配もなく、気あつかいも無く、浮々として面白そうに見えるものの、熟々視れば、それは皆衣物で、体にすれば、見るも汚わしい私欲、貪婪、淫褻、不義、無情の塊で有る。以前人々の心を一致さした同情も無ければ、私心の垢を洗った愛念もなく、人々己一個の私をのみ思ッて、己が自恣に物を言い、己が自恣に挙動う※欺いたり、欺かれたり、戯言に託して人の意を測ッてみたり、二つ意味の有る言を云ってみたり、疑ッてみたり、信じてみたり、――いろいろさまざまに不徳を尽す。