Classiques japonais avec furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lisez 渡良瀬川 (わたらせがわ) de 大鹿 卓 (おおしかたく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 280 528 caractères · 557 écrans
次第に御座候」
このことについて被害地の人々が、今更ながら正造の潔白に感じたのは勿論である。それは正造の境遇に対する同情の声となり、雲龍寺の有志たちの集合となった。年々の鉱毒被害で自分たちも無論窮迫している。だが、いわばわれわれを救うために赤貧洗うごとき境遇に陥り、そうして今度はさらに、日々の生活にも困るような状態が目の先に見えている。どうしてわれわれが黙っておられよう。誰の胸もその気持だったから、今後九カ村の者が月々五十円ずつ醵金して贈ろうということに、相談が一決した。
二十四日に総代として山田、野口、大出、山本、原、青木が上京して、信濃屋の一室で一同の意志を正造に通じた。黙って聴いていた正造の目から涙があふれて膝を打った。
「有難い」と、正造はふるえ声でいった。「諸君の御厚意は身にしみて有難い。お志は深く感謝する、今や鉱毒問題の名は一変して人生死活の問題となった感がある。従来の無感触家もこの件には驚かぬものがない。千万人中これに驚かぬものがあるとすれば、それは禽獣にひとしい。軽薄な東京人種すらこれに感動するものが多くなった。この被害の境遇にある人たちから、寄附的な金を毎月五十円ももらうということは、普通の百千万金の声より有難く嬉しい。