Classiques japonais avec furigana
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ゆしまもうで
湯島詣
泉 鏡花
Lisez 湯島詣 (ゆしまもうで) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 62 004 caractères · 122 écrans
「こちらへ、」といった車夫は小腰を屈めて、紺蛇の目を手早く受取る。その腕車に乗ろうとする時、かちかちかちと木を拍って、柳の彼方の黒塀の前に、頬冠をした二人が在った。
「へい、御贔屓を一両名、尾上菊五郎、沢村源之助。」ト声を懸けたので、腕車の蔭に立停る。
その時、板塀の上なる二階の障子へ、明るく影が映ったが、端を開けて、廊下へ出た。植込の梢がくれに、
「あいよ、」という声、捻った紙包が宙を切って、忍返の釘を掠めてはたと二人の前に落ちる。
「ええ、鼠小紋春着新形。神田の与吉実は鼠小僧次郎吉、傾城松山、」ちょっと句切って、
「鎌倉山の大小名、和田北条をはじめとして、佐々木、梶原、千葉、三浦、当時一別当の工藤などへは二三度入り、まぶな時にゃあ千と二千、少ねえ時でも百や二百、仕事をしねえ事あなかった。その替りにゃあ貧乏と、その名の高え曾我などじゃあ、盗んだ金を置いて来た、悪事はするが義理堅え、いわば野暮な盗人だが、知らねえ先あともかくも、こういう身性と聞いたらば、お主ゃあ厭になりやしねえか。」
「何で厭になるものかね、これもみんなその身の好々、お嬢さんといわれるのが、ちいさい時から私ゃ嫌い、油で固めた高髷より、つぶし島田に結いたい願い、御殿模様の文字入より、二の字繋ぎのどてらが着たく、御新造さんや奥さんと、いわれるよりも内