Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆしまもうで

湯島詣

泉 鏡花

Lisez 湯島詣 (ゆしまもうで) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 62 004 caractères · 122 écrans

Aozora Bunko

座敷は三人が一組、姉株の芸妓が二人、これに蝶吉が、下方を持って跟いて行くのであった、といって、いつか雪の降る夜、身の毛を悚立てて梓にその頃の難苦を語ったことがある。

座敷がある、客はというと、あの土地では夜が更けてからのが多い。それという声が懸ると、手取早く二人の姉分の座敷着を、背負揚、扱帯、帯留から長襦袢の紐まで順序よく揃てちゃんと出して、自分が着換えるとその手で二人分の穿物を揃えて、三味線を――その頃腕達者な烈しい姉は、客の前で弾切ると糸を掛けてる中も間が抜けるといって、伊達に換え三味線を持ったので――四張。呼ばれた青楼の帳場まで運んでおいて、息を切って引返す、両手に下方を持って駈着ける。

それから四張の三味線を座敷に運んで、調子を合せて、差置くや否や、取って返して、自分が持の下方の調の緒を〆める時分には、二人悠々と入って来る。穿物の雪を落して、片附ける間も心が急かれ、座敷へ上るとお座附の済む頃で、膝に手を置く猶予もなく、それ下方といって責められるが、指の皮が破れてる上に冷たくッて手がかじかむ。息が切れて、もう小鼓を肩に振懸ける力もない。

これを梓に言った時、蝶吉は床から出て、友染の夜具の袖を敷いたと見ると、長襦袢のまま片膝を立てた。