Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たきぐち

滝口

山本 周五郎

Lisez 滝口 (たきぐち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 49 815 caractères · 99 écrans

Aozora Bunko

と女中がしらのおわきが云った、「ふんとに、八月にはいったとたんに、こんなんも涼しくなるんですもの、ばかみたようですわ」

「正直なのか、ばかなのか」

おわきは燗徳利へ手を伸ばしかけて、「え」とけげんそうに振り向いた。

益村安宅は「なんでもない」と首を振りながら盃をさしだした。おわきはそれに酌をして、徳利を持ったままの手を膝へおろし、ひどくまじめな顔で益村を見た。

「わたし」とおわきは低い声で云った、「益村さんに申上げたいことがあるんですけど、いきませんかしらん」

「いいだろう」と益村は答えた。

おわきが話し始め、益村は庭のほうを見た、この料亭「衣笠」はコの字形の二階造りで、中庭には琵琶のかたちをした池があり、それには石造りの太鼓橋が渡してあるし、芝を植えた築山には腰掛の亭があった。松、杉、楓、樫、桜、梅、百日紅などの木が、庭いっぱいに植えてあり、それらの一本ずつは、よく見ると枝ぶりがみごとだったり、幹に珍らしい蘚苔が付いていたり、梅などは描いたような臥竜の姿をかたちづくっているが、ぜんたいとして見ると統一がなく、一本ずつが選りぬきの木であることによって、互いにその値打と美しさを相殺しあっている、というふうに眺められた。