Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たきぐち
滝口
山本 周五郎
Lisez 滝口 (たきぐち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 49 815 caractères · 99 écrans
「驚かして済まない」安宅は右手に持った抜き身の刀をひらっと動かした、「これからいっしょに逃げてくれないか」
おりうは吃った、「いったい、なにがあったんですか」
「あいつを斬った」
「斬った」おりうはけげんそうに安宅のようすを見た、「なにを仰しゃってるの」
安宅はふところ紙を出し、念入りに刀身をぬぐった。
「あいつが騙し討ちをしかけた」と彼は白刃をみつめながら云った、「それで斬った」
おりうはまた大きく息をひき、それからふるえ声で、「あの人をですか」ときいた。
「芳村伊織をだ」と安宅は答えた、「浪人者でも人間ひとりを斬ればこの土地にはいられない、いっしょに逃げてくれ」
「あの人を斬ったんですか」おりうの手から提灯が落ちそうになった、「あんな気の弱い、可哀そうな男をあなたは殺しちまったんですか」
「向うが騙し討ちをしかけたんだよ」
「あなたほどの方が、騙し討ちをしかけるようなみれんな男を、斬ったんですか」とおりうは叫んだ、「女ひとりのために身をほろぼしたあげく、こんな遠い田舎の城下町まで追って来て、うろうろ付きまとうようなだらしのない男を、情け容赦もなく斬っちまったんですか」