Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
Lisez 白髪鬼 (はくはつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 046 caractères · 224 écrans
そして、ちょっとでも心に隙があったなら、大きな真黒な口を開いて、ガブリと人を呑んでしまうのだ。お多福の面のうしろ側には、怖い鬼の面が隠れているのだ。
わしはあんまり幸福すぎた。それに殿様育ちのお坊ちゃんで、世間というものを、まるで知らなかった。
丁度結婚後二年目の終りに、わしはチフスを患って、しかもそれがこじれて、三月というもの、病院生活をしなければならなかった。と云って、何もそれが、直接わしの幸福を奪ったというのではない。長びいたけれど病気は全快したのだ。全快したばかりか、チフスという病の有難いことには、それまで何となく弱々しかったわしの身体が、病後はめっきり健康になった。一度抜けた髪の毛も、前にもまして黒々と生え揃った。年までも、二つ三つ若返った様な気がした。
病中、妻の瑠璃子は毎日病院へ見舞いに来てくれた。川村も妻にまけぬ程、しげしげわしを見舞ってくれた。アア、かたじけないことだ。わしを愛していればこそ、いまわしい伝染病を気にもとめず、瑠璃子は、川村は、わしを慰めに来てくれるのだ。妻や親友が今までの幾層倍も有難いものに見えて来た。――考えて見ると、わしはまあ、何という鈍感なお人好しであったろう。