Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
Lisez 白髪鬼 (はくはつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 046 caractères · 224 écrans
奇妙な主治医
奇妙な主治医
さて次に住田医学士の番だ。
わしはそそくさと元の談話室に取って返し、きっかけを作って住田と言葉を交し、先ずホテルの食堂で一献、それから住田の案内で町でも有名な日本料理屋へと、車を飛ばすまでにこぎつけた。見ず知らずの男と旧知の如く酒を汲み交すなんて、以前の大牟田敏清には迚も出来ない芸当だが、一度地獄を通って来たわしは、最早昨日のお坊ちゃんではなかった。
わしは相手の程よく酔った頃を見はからって、話を大牟田子爵の愛妻瑠璃子のことに落して行った。何かと話す内、住田は果してわしの謀に乗って、Y温泉湯治時代の瑠璃子について喋りはじめた。
「妙なことがありますよ。僕には名を隠していたけれど、あとで聞いて見ると、あれは確に大牟田子爵夫人でした。夫人は身体に妙な腫物が出来たといって、温泉の別荘へ来て居られた。それは確です。僕はその変名婦人の主治医ということになっていました。それも確です。ところが里見さん、不思議なことには、主治医の僕は一度だって夫人の病気を見舞ったことはなかったのですよ。ハハハ……、何と不思議じゃありませんか……」
さては、さては、大牟田子爵ばかりではない、この住田医学士さえ瑠璃子の身体を見ることを禁じられていたのだな。