Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はくはつき

白髪鬼

江戸川 乱歩

Lisez 白髪鬼 (はくはつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 046 caractères · 224 écrans

Aozora Bunko

彼はギョッとした様に、覗き穴のわしの顔を見つめたが、いきなり、物狂わしく叫び出した。

「違う、違う。そんなことがあるものか。何を証拠に俺の子だというのだ。俺は知らん。俺は知らん」

「知らぬとは云わさぬ。これは君が大牟田の目を盗んで、この別荘の奥座敷で、瑠璃子に生み落させた、あの不義の子だ。君はその手で、ホラその手だ。その手を使って、生れたばかりの赤ん坊をくびり殺したんじゃないか。くびり殺して、この庭へ埋めたんじゃないか。君はそれを忘れてしまったというのか」

わしは復讐の快感にウズウズしながら、一語は一語と相手の急所へ迫って行った。

「違う。俺は知らん。俺は知らん。……」

川村は青ざめて骸骨の様にこけた頬に、物凄い微笑を浮べながら、同じ言葉を繰返して、みじめな反抗を示したが、その声が段々衰えて行って、遂には、ただモグモグと唇丈けが動いていた。微笑の影はあと方もなく消えてしまった。何かしら深く深く考え込んでいるのだ。

やがて、彼の表情が突然恐ろしい変化を示した。青ざめた頬にサッと血の気が上った。落くぼんだ目が熱病の様にギラギラと輝いた。

「貴様は誰だ。そこに覗いている奴は一体誰だ」