Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lisez 私本太平記(七) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 330 262 caractères · 662 écrans

Aozora Bunko

総じて官軍は、わけて義貞の旗は、派手な敗れ方をして、きのうの戦果も、いちどに画餅としてしまったのだった。

ぜひなく、官軍は川の東へ、総ひきあげを呼び交わし、加茂の上流、糺のへんへかたまった。そして徐々に、叡山山麓の西がわ――西坂本、雲母坂――へかけて厚い布陣をみせ、なお次の新手を翌日には加えていた。

このさい。俄な新手が補強され出したというわけは、先に、洞院ノ実世を大将として、信濃へ入り、やがて義貞の本軍と会合すべき計画だった東山道軍の七千が、

「主戦場は都へと変った」

「いまは引っ返せ」

と、遅れ走せながら、前夜、行宮の下に帰り着き、そしてすぐ前線の配備へと廻されていたためだった。

これに、三千の僧兵も、向きを変えて、叡山の布陣は、すべてここに、

山の東側から西側へ

と、まったく移った。――そして以後の十日間――正月二十七日までは、両軍共に、次の大決戦にのぞむべく、その陣立てや整備に過ごし、物見同士の小ゼリ合いのほかは、たいして見るべき戦もなかった。

状況は、いわゆる四ツの相撲になったのである。

もしこの期間に、尊氏が期するところの、

持明院統の三皇