Classiques japonais avec furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
Lisez 私本太平記(五) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 252 330 caractères · 505 écrans
「なかなか」
と、五左衛門は笑ってみせた。
「お泣き遊ばすどころか、ややもすれば輿からお顔を出して飽きもし給わぬご容子です。われら輿側の随身どもが、かえってハラハラいたしおりまする」
「さすが、たのもしい」
語気を、一転して。
「ところで、昨夜来、ずいぶん足利殿有縁の武士が、近郡からお供にまいったと聞くが、いま御人数はどれほどぞ」
「いつか二千を超えております」
「二千?」
「はい、続々と。昨夜、今朝、そして今も今とて、下総、常陸の遠い所の武族までも」
「それはめでたい」
かろい嫉妬の感じを、義貞はそう言いかえた。
自分の麾下へ、自分を慕って来る武族もあるにはある。しかし五歳の稚子大将をたよって、足利殿と聞いただけで、はや遠国の武者までに、そんな参陣の決意を奮わせている事実は、何と見たらいいのだろうか。
「五左衛門。馳せ加わる味方はなお、刻々ふえるのみだろう。鎌倉入りは、新田、足利、轡を並べて、果たすもの。いずれが主、いずれが従でもない」
「もとよりわれらも、おゆるしとあれば、先陣に出て、一死を惜しむものではございませぬ」
「いやいや、そちなどは幼君のおそばにあって、どんな乱軍の中でも離れてはならん。