Classiques japonais avec furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
Lisez 私本太平記(五) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 252 330 caractères · 505 écrans
その補佐には。顕家の父、北畠亜相(親房)、結城宗広。――供には、冷泉少将家房、伊達ノ蔵人行朝、三河前司親朝、そのほか数千の弓箭が、列の先も霞むばかり流れて行った。
そして、これがすむと、こんどは十二月の中旬、足利家へたいして、足利直義への、鎌倉赴任が、朝廷から命じ出された。
幕府は亡んでも、鎌倉そのものは、まだ生きている。
当然、新政府はそれを、
「いつまで、いまのままにはしておけぬ」
と見ていたに違いない。
で、朝令によると。
成良親王(義良の兄)を、関東の管領とし、足利直義朝臣を相模守に任じ、その補佐とする――
というものだった。
要するに、そこを奥羽の鎮守と同格なものにして、武士勢力をたがいに牽制させ、そのどちらにも親王将軍を上において、都の朝命を、一様に布かせようという政治構想のものと見られた。
「兄者」
直義は、命をうけて、いよいよ鎌倉へ下るという日の朝、尊氏の部屋へひとり来て、
「当分、西と東にわかれて暮らさねばなりませぬ。切に、おからだだけはお大事に」
と、別辞をつげた。
「ご苦労だな、直義」
尊氏はそういって。
「あとは心配するな。むしろ心配はそちの身にある。