Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
Lisez 私本太平記(五) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 252 330 caractères · 505 écrans
「だが」
と、そのうちに呟く者があった。
「おそいのう」
「道誉か」
「もうお使いも戻りそうなもの」
「はて。どうしたか」
遅いはずであった。
やがて使者は返ってきたが、道誉はつれていなかった。それの報告によると、佐女牛の深夜の門を叩いて令旨をつたえたところ、道誉は家臣を通じて、折わるく、風邪の大熱できのうから薬餌にしたしんではおれどほかならぬお召、また道誉一代のほまれであることゆえ、すぐ出仕いたしまする、という答え。
そこで使者は、長いこと、一殿で待っていたが、二た刻もたつのに、どうしたのか出ても来ない。こらえかねて、家臣へたずねると、主人道誉は勝気にまかせ、一たん、ご装束を着けにかかったが、大熱にはかてず、俄に、ふるいを起してしまい、ただいま典医をよんで、薬湯をあげるやら何やらの最中なので――と、恐縮して、ただただわび入る態でしかないので、ぜひなく一おう立帰ってまいりました、という逐一な使者の報だった。
「仮病ではないのか?」
口走った者がある。
すると、千種忠顕が、すぐ庇った。
「いやそんな人物ではない。婆娑羅なたちだが竹を割ったような男。せっかくなお召をと、さぞ無念がっておりましょう。