Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

すさのおのみこと

素戔嗚尊

芥川 竜之介

Lisez 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 42 917 caractères · 86 écrans

Aozora Bunko

彼は前にも云ったごとく、彼自身にもこう云う事実を認める事が恥しかった。まして仲間の若者たちには、一言もこの事情を打ち明けなかった。また実際仲間の若者たちも彼の秘密を嗅ぎつけるには、余りに平生の素戔嗚が、恋愛とは遥に縁の遠い、野蛮な生活を送り過ぎていた。

彼は相不変人を避けて、山間の自然に親しみ勝ちであった。どうかすると一夜中、森林の奥を歩き廻って、冒険を探す事もないではなかった。その間に彼は大きな熊や猪などを仕止めたことがあった。また時にはいつになっても春を知らない峰を越えて、岩石の間に棲んでいる大鷲を射殺しにも行ったりした。が、彼は未嘗、その非凡な膂力を尽すべき、手強い相手を見出さなかった。山の向うに穴居している、慓悍の名を得た侏儒でさえ彼に出合う度毎に、必ず一人ずつは屍骸になった。彼はその屍骸から奪った武器や、矢先にかけた鳥獣を時々部落へ持って帰った。

その内に彼の武勇の名は、益々多くの敵味方を部落の中につくって行った。従って彼等は機会さえあると、公然と啀み合う事を憚らなかった。彼は勿論出来るだけ、こう云う争いを起させまいとした。が、彼等は彼等自身のために、彼の意嚮には頓着なく、ほとんど何事にも軋轢し合った。