Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

すさのおのみこと

素戔嗚尊

芥川 竜之介

Lisez 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 42 917 caractères · 86 écrans

Aozora Bunko

六

その内に猪首の若者は、とうとう大岩に背を圧されて、崩折れるように砂へ膝をついた。その拍子に彼の口からは、叫ぶとも呻くとも形容出来ない、苦しそうな声が一声溢れて来た。あの容貌の醜い若者は、その声が耳にはいるが早いか、急に悪夢から覚めたごとく、猛然と身を飜して、相手の上に蔽いかぶさった大岩を向うへ押しのけようとした。が、彼がまだ手さえかけない内に、猪首の若者は多愛もなく砂の上にのめりながら、岩にひしがれる骨の音と共に、眼からも口からも夥しく鮮な血を迸らせた。それがこの憐むべき強力の若者の最期であった。

あの容貌の醜い若者は、ぼんやり手を束ねたまま、陽炎の中に倒れている相手の屍骸を見下した。それから苦しそうな視線を挙げて、無言の答を求めるように、おずおず周囲に立っている若者たちを見廻した。が、大勢の若者たちは麗らかな日の光を浴びて、いずれも黙念と眼を伏せながら、一人も彼の醜い顔を仰ぎ見ようとするものはなかった。

六

高天原の国の若者たちは、それ以来この容貌の醜い若者に冷淡を装う事が出来なくなった。彼等のある一団は彼の非凡な腕力に露骨な嫉妬を示し出した。