Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
わかとのじょなんき
若殿女難記
山本 周五郎
Lisez 若殿女難記 (わかとのじょなんき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 611 caractères · 45 écrans
「若さまは初心でいらっしゃるんだわ」彼女はこう胸の中で呟いた。「だからまず道をあけて差上げなくてはだめなのよ、それには若い方じゃいけないわ、栗饅頭を食べるにしたって若い方は唯もう食べることに夢中だから、割り損なって栗をこぼしたり、喉につかえさせて咽せたりする、栗饅頭を食べるにはまずそっと手に取って柔らかいか固いか、よく蒸けているか色艶はいいかどうかを調べるんだわ、こうして固さや柔らかさや蒸け加減や色艶をためしているうちに、口のなかへ程よく生唾が湧いてくる、それから静かに割るんだけれど、そこでもすぐに口いっぱい頬張ってはだめよ、まず小さく欠いたのを少し入れて、あま味や練り具合をよく味わい、茶をひとくち啜っていちど後味を消し、舌を休ませてからこんどは栗のはいった噛みごたえのあるところを入れる。そしてまた茶を啜って甘味と渋味を充分に舌で味わい、更にあとを食べるという風にする、こうして、ゆっくりと焦らずに、甘味とお茶とで舌を楽しませながら食べるのでなければ、本当に栗饅頭を頂いたことにはならないんだわ」
年増の侍女でさえかかる独白に熱中するくらいだから、甘味といえば選り好みなしの若い腰元たちが、いかなる空想に耽り幻想に酔ったかはお察しなされよう、だが閑話休題と致す。