Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 152 696 caractères · 310 écrans

Aozora Bunko

「あ、柴田の旦那様、娘は、娘はとうとう殺されてしまいました」

お楽は真っ先に飛んで出ました。

「使いを差上げるはずでしたが、この通りの取込みで、何とも相済みません」

亭主の弥助は、額を叩いて追従らしく深々とお辞儀をしております。

「それは気の毒、誰がいったいお菊を殺したのだ」

柴田文内、仰天しながらも好奇の眼を光らせます。

「娘をつけ廻していた、徳松という野郎でございます。――昨夜のうちに縛られて行きましたが――」

「フーム、そう申上げたら、殿にはさぞ御落胆遊ばすことであろうが、余儀ないことだ。――あんまり力を落すでないぞ、お楽」

「ハイ」

お楽は見事な女乗物を眺めながら、顔も挙げられないほど泣いておりました。これに乗るはずだった娘が、昨夜の血潮も洗い浄めず、逆さ屏風の裡に冷たく横たわっているのです。

「では、帰るとしようか、吉住氏」

「ここへ来合せたのも、何かの因縁だろう。せめて線香でも上げて行こうか、柴田氏」

吉住求馬は、若いに似気なく気が廻ります。

「なるほど尤も、年上の拙者が、それに気がつかないとは迂闊千万」

柴田文内はそんな事を言いながら中へ入りました。