Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 152 696 caractères · 310 écrans

Aozora Bunko

懐から取出した大かい財布、寛永通宝が五六百も入っているのを受取ると、平次はすっかり有頂天になりました。

「有難え、これさえありゃ」

手に従って飛ぶ投げ銭、悪者たちは鼻を叩かれ、頬を削られ、中には眼をやられ、拳を痛められて、ドッと崩れ立ちます。

相手の気勢さえ挫けば、八五郎の馬鹿力は最も有効に働きます。二人の青侍と力を併せて、瞬くうちに生け捕った曲者が、二人、三人、五人、――折から関所の方にあがる喊の声、助勢の人数と見て、残る曲者は、パッと蜘蛛の子を散らしてしまいました。

それを見送って、

「八、有難え、お前のお蔭だ」

平次は思わず八五郎の手を取りました。

「親分、あの小屋の中で、女は焼け死にましたぜ」

純情家の八五郎は、まだそれを考えていたのですが、さすがに憚って、これ以上の事は言えません。

*

六千両の御用金は、その日の朝、関所で駿府の使いに引渡し、平次とガラッ八はホッとして江戸へ帰りました。

「よく間に合ってくれたね、八」

つくづく言う平次。

「飛脚が気をきかしてくれたんですよ。親分の手紙を見ると、早駕籠で、夜昼おっ通しに飛んで来たが、あんまり急いで、小田原の旅籠屋の目印を見落すところでしたよ」