Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 152 696 caractères · 310 écrans
そう言いながら、冗談らしく相手の袖を押えた平次、咄嗟の間に見極めると、年の頃五十六七、実体らしい老爺さんで、どう間違っても身投げなどをする柄とは見られません。
「無法な事をするにも程があったものだ。こんなに脹れちゃったじゃないか、見や」
老爺は身投げすることも忘れて、しきりにこめかみに唾を付けながら、小言を言っております。
「勘弁しねえな、とっさん、そうでもしなきゃア、間に合わなかったんだ。命と釣替えなら、こめかみへ穴が明いたって我慢が出来ねえこともあるめえ」
「不法な人があったものだね、どうも」
老爺さん甚だ平らかじゃありませんが、永楽銭一枚の痛手で、とにかく死ぬ気がなくなってしまったことだけは事実のようです。
間もなく平次は、もう一度東両国の小料理屋に取って返して、身投げを思い止まらせた老爺の話を聞いておりました。
「人間、洒落や冗談に死ねるものじゃねえ、ざっくばらんに話してみなさるがいい。金も智恵もあるわけじゃねえが、何を隠そう、俺は平次といってお上の御用を勤める人間だ。次第によっちゃ相談相手にならねえものでもあるめえ」
「え? 銭形の親分さんでございましたか。