Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 125 671 caractères · 252 écrans
四
本妻みたいにはして居るが、仲人が立ったわけでも、祝言をしたわけでも、親類達に披露したわけでもありません。それが長い間奉公した、小綺麗な下女と仲が良かった日にゃ、日本中の女は皆んな極楽往生しますよ」
「相変わらず、悪い口だ。お前は人が好いくせに、口に毒があっていけねえ」
「へェ」
「それから、殺された娘のお照と、継母分のお通とは?」
「仲が良かったそうですよ、世間で不思議がって居ましたがね。こいつはお通が悧巧なせいでしょう」
「お照と姪のお雪は?」
「これは姉妹よりも仲良しだったそうで」
八五郎の報告はそんな事でした、が、お照殺しの下手人を浮出させる、ヒントもまだ掴めません。
四
「親分」飛込んできたのは八五郎でした。それから又三日、一日毎に秋が深くなるのに、宮永町の娘殺しが、解決の曙光もなく平次を苛つかせて居た頃のことです。
「大層あわてて居るじゃないか、――それにしちゃ、大変ッ――を何処へ払い落して来たんだ」
「落ちついていちゃいけませんよ、親分。宮永町の石井家の下女、あのお新というちょいとした年増が、絞り殺されて、藍染川に叩き込まれて居ましたよ」
平次は思わず立上りました。