Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 130 082 caractères · 257 écrans
名前は聴かなかったが、あのお小姓には、間違いようの無い目印があるから、それを頼りに捜せば、すぐわかるに違い無い――って」
「目印?」
平次は膝を立て直しました。
「右の耳の後ろ、玉をのべたような首筋に、豆粒ほどの、真っ紅な痣があるんですって」
「そいつは有難い、絵に描いたようなきりょうで、首筋の赤い痣だ、地獄の底へ行っても見付かりますぜ、親分」
傍で聴いて居た八五郎が夢中になって乗出します。
其処を切上げた平次は、庫裡の一室に納めてある、手代宗次郎の死骸に目を通しました。二十三、四の華奢な男で、傷は前から心の臓へ一と突き、血潮に塗れて、惨憺たる姿です。
たった一と突きで埒をあけた曲者の手際は非凡で、これは決して素人の盲目突きではありません。
お茶の用意をした部屋には、お由利が抱きしめて居たという曙染の振袖が其ままにしてあり、其処には血潮の跡もありません。
庫裡の奥には、住持の春厳和尚と小坊主の岩良が、鼠に引き残された、坊主雛のように淋しく控えて居りました。六十過ぎの痩せた老僧と、十四、五の小坊主です。
「阿波屋さんの皆さんが着くほんの四半刻ほど前でしたよ、深い饅頭笠で顔を隠した、腰法衣の修行者が訪ねて来て冠物のまま阿波屋の使いの者だがと私を呼出し、いきなり一と当て当て身を喰わせて眼を廻させてしまいました。