Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 130 082 caractères · 257 écrans
それを変なところで役に立てはしないかと、ビク/\して居りましたが――」
平次は言い淀むのです。間違いもなくその門鑑が悪用されて居ると知っても、八五郎の手落ちにし度くなかったのです。
「いずれ出入の町人のような顔をして入って来ることであろうが、六十枚の手形が出ていることだから、どれが曲者やら一向に見当はつかない、――兎も角も、宵に忍び込んで、夜っぴて仕事をする様子で、書き役の手文庫から抽斗、本箱までが散々の荒しようだ。後で念入に調べて見ると、書き役の書類の中から、いつぞやお前に追われて、品川沖で海の中に沈んだ強賊「疾風」の記録だけが紛失している」
「――」
平次はジッと考え込みました。
「あれから三年経ったが強賊の「疾風」は三千両の金を盗み溜めて、本国へ帰参の手蔓にするために、養い娘のお島という八人芸の女と、倅の皆吉という美少年を使って、強賊を働いた末、お前に見出されて船で逃出し、品川沖で水死したということであったな」
「左様でございます。養い娘のお島というのが生き残り、疾風の女房――お島には養い親を引取って世話をして居りましたが、その母親も間もなく亡くなり、お島も何時からともなく姿を隠してしまいました。