Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 130 082 caractères · 257 écrans
「あ、成程、いいところへ気がついた」
平次は思わず褒めてしまいました。お勝手へ引込んで、世帯のやりくりより外には、何んにも知らないような顔をして居るお静に、こんな結構な知恵があろうとは思わなかったのです。
「それに、声も格服も男だけれど、身のこなしに、妙に柔らかい丸味があるでしょう」
「フーム」
「それから、女にはよくわかりますが、あの人には男の匂いが無いんです」
「――」
「もう一つ、先刻、お勝手の落しの揚げ蓋が曲って居たのへ足を乗せて、思わず落しの中へ落込むと、あの人はキャッと悲鳴をあげたじゃありませんか。どんなに気の弱い人だって、男はあんな悲鳴をあげる筈は無いでしょう」
「その落しの蓋を、お前はわざと曲げて置いたんじゃないか」
「あら、そんな事」
お静は思わず顔を赤らめて、襟に顎を埋めましたが、おとなしいようでも岡っ引の配偶は、それ位の技巧が無いとは言い切れません。
「兎も角、そいつは有難かった。山之助が女とわかると、いろ/\考え直さなきゃならないことがある。お前もよく見張って居てくれ――なァに大丈夫、何んにも怖いことがあるものか。お前は黙って家へ帰るがよい。