Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 157 440 caractères · 313 écrans
「八、これは矢っ張り行ってやらなきゃなるまいな」
「ヘエ?」
平次が何をいおうとしているのか、八五郎にはのみ込み兼ねた様子です。
「お栄だよ――あんなにいって来たのに、放って置くという術はないな、八」
「それですよ、親分」
八五郎は乗出します。若くて美しい女の急に赴くためには、どんな犠牲でも忍びそうな面構えです。
「何が何んでも、一応は行ってやらなきゃ可哀想だ。出かけようか八」
「ここはどうします、親分」
「金太を一人残して置きゃいいだろう。たんすにはもう何んにもないよ」
「そんなものですかね」
八五郎は一寸ちゅうちょしましたが、親分の平次の意思に引きまわされることに馴れているせいか、たいした異もたてずに、近江屋を見捨てました。行く先は東西の両国、水に近くて、人間一人を楽々と隠せる家というと、この辺にはそんな家はあまりにも多過ぎます。
近江屋に取り残された下っ引の金太は、生温かいのに火のない火鉢を抱え込んで、怠屈と不気味さを紛らすために、煙草ばかり吸っておりました。
四十を少し越した世帯ずれのした男、蟲食い頭の金壺眼で、昼は内職の古道具の店に坐っている男――といったら、その人柄が凡そ見当がつくことでしょう。