Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 157 440 caractères · 313 écrans
「御重役方、わけても山澄淡路守様のお許しだ、各々寛いでお過し下され。一万両の御用金は間違いもなく御当家のお蔵へ納まりましたぞ。斑組とやら猿智慧を絞ったところで、花火玉を打ち込むぐらいが精いっぱいだ。多寡が市井の草賊、御三家筆頭六十一万九千石の御当家に歯の立つわけはない」
大橋要人少しばかり好い気持そうです。
宴会は夕刻から夜半に及びました。殺風景なお蔵屋敷に、だれがよんだか芸子が立ち交って、長夜の宴は果てしもなく続くのです。
市ヶ谷御上屋敷からは今日の成功を褒めて、物凄まじくも豪勢な肴と、酒の荷が二度までも届きました。
「御家老山澄淡路守様もことのほかお喜びじゃ。一万両の御用金のもどったのは、何んと申しても六十二万石、御三家の御威光じゃ。さあ、酒はいくらでもあるぞ。各々、遠慮は御無用、お過し下さい」
大橋要人が先に立っていうのです。飲むほどに、飲ませるほどに、玉山崩れて二十五人の猛者たち、バタリバタリと河岸の鮪のように寝込んでしまったのも、まことに已むを得ないことだったのです。
「これはいかぬ。津田氏、御用心召されよ」
「何んの拙者が」
そんなことをいいながら、大橋要人、津田孫太郎、鈴木倉之進の三人武者も、折重なって倒れてしまいました。