Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 157 440 caractères · 313 écrans

Aozora Bunko

「済まなかったね、お銀さん。昨夜は引留めもせずに帰して」

「あれ、そんなこと。もう親分さん、私はとうに忘れていましたのに。それに――」

「――」

平次に酒をつぐと、お銀は少し居住いを直して言葉を続けるのです。

「それに、――私は苦労には馴れております。宿のないことや、三度のものにもありつけないことだって、幾度あったかわかりゃしません」

「そいつはまた――」

平次も返事に困りました。そんな話を聞かされると、急に座が白けて、酒までホロ苦くなりますが、お銀はそれさえ意識しないほど、自分の思い出に溺れている様子でした。

「私の育ったのは、相州の厚木でした。どうせ不義いたずらの末か何んかに出来た子でしょう。親知らずで里に預けられ、貧乏人の子らしく育ちましたが、七つの時親からの仕送りが絶えると、里親は薄情な人で、その日から私に守りっ子の仕事から、使い走り。翌る年にはもう、百姓の仕事までさせました」

「フム、フム、それから」

いっこう面白くもない話ですが、平次はすっかり乗気になって、しきりに盃を傾けながら、お銀の述懐を促すのでした。

「私は大抵の百姓仕事をしました。こんなに見えても、四斗俵の米だって持てるんですもの」