Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 006 caractères · 25 écrans

Aozora Bunko

愛想のいい滝三郎は、豪勢な居間に通して、お六に酒の用意を命じます。

「他じゃないが、近ごろ浪人と無宿者の取締りがやかましくなって、他国者はみんな身許を書き上げなきゃならない。いずれ師匠のところへも調べに来るはずだが、あっしの手から届けておくと、うるさいことがなくて済むかも知れない。――師匠の実家というのは、大坂のどこだろう。町所を言ってくれさえすればいいが――」

八五郎の言葉に、滝三郎はハッと顔色を変えました。

「それはわけもないが――」

「言って困ることでもあるのかな、師匠」

「いや、困るほどの事でもないが身分はなるべく包んでおきたい。山城屋の主人と知れると、江戸には孫店も取引先も多いことだし、何かとうるさい事にもなるから――」

それは暗い言い訳でした。八五郎の物を信じ易い心にも、四方の贅沢な空気と対照して、主人の言葉の曖昧さが、大きな謎の塊りになるのでした。

「…………」

「せめて明日まで待って下さい。妹達とも相談して、身分を明かしてよいものか、悪いものか、はっきり極めましょう」

「そうして上げたいが、それが出来ない。というのは、師匠も知っての通り、あっしは御上の御用を承るものだ」