Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ながやてんいちぼう

長屋天一坊

山本 周五郎

Lisez 長屋天一坊 (ながやてんいちぼう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 453 caractères · 57 écrans

Aozora Bunko

吾助はがたぴしと雨戸を閉め、上へあがってむんずと坐った。実に興味津々たる心境らしい、相好を崩して銀太に向い、

「その、なんだ、その書付と短刀というのをひとつ、まず儂が鑑定しようじゃないか」

「あっしは構わねえけれども、なんしろえてえの知れねえ一件だからな、なあ金太」

「うん、……あとで文句をくうと」

「いや決して」吾助はお稲荷様ぐらいに誓ってもいいらしかった、「決してそんなことはないて、理屈からいってもこういう事案は家主が引受けるべき理屈だ、決して文句などは云わないから、とにかくその二た品を見せて呉れ」

「じゃあ、……見せるか、金太」

「うん、まあ、しょうがねえだろうが」

銀太がしぶしぶ出したのは、古ぼけた油紙の包である。吾助が昂奮に震える手でそれをあけると、中には古ぼけて汚れくたったような唐草の風呂敷包があった、それを解くとやっぱり古ぼけた唐桟縞の風呂敷包が現われ、それを開くと、又々古ぼけた浅黄木綿の風呂敷包が出現した。

「これはなかなか」吾助はそっと呟いた、「どうしてなかなか、雑なことではこう本式にはいかぬものだ、この包み方だけでも……」

そして遂に、その中から金襴の袋に入った短刀と、渋紙めいたずぬけて大きい封に入れた、古めかしい書付が出て来た。