Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんさいこうき

震災後記

喜田 貞吉

Lisez 震災後記 (しんさいこうき) de 喜田 貞吉 (きたさだきち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 544 caractères · 41 écrans

Aozora Bunko

十月十日

その天幕の中から可憐な子供が出入りしている。昼飯前食物の配給時と見えて、バケツや籠をさげた長い列が続いている。その静寂さにいっそう悲惨の状が偲ばれる。

その静寂なのとは反対に、日比谷公園のバラック村はなかなかの繁昌だ。一時の仮住居でにぎにぎしく各自商店を張っているばかりでなく、出来合の露店商人の店もはなはだ多く、中にも飲食店が最も多い。人間には口がまず第一なのだ。そのほか床屋から下駄の歯入屋までも揃っていて、ここでは何一つ不自由というものもないらしい。爆破の音がしばしばすさまじく響く。工兵が焼けた大建築物の残骸を破壊しているのだ。

十月十日(水)

今日も用事があって丸の内へ行く。交通機関の回復が不十分なのと、電車のやっと開通している所でも相変らずの混雑などで、やっぱり自転車が間にあう。飯田町の焼け跡を通って、九段下、牛が淵へ来ると、道路に縄を張って往来をとめている。商大を爆破するためだという。転じて九段坂を上るとそれを見るべく用のなさそうな人々が、巡査に追っ払われながらも崖の端に群集している。多忙な自分もほかならぬ商大の最後を弔うべく、実はその群集の中の一人となったのだ。