Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんさいこうき

震災後記

喜田 貞吉

Lisez 震災後記 (しんさいこうき) de 喜田 貞吉 (きたさだきち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 544 caractères · 41 écrans

Aozora Bunko

★罹災者の幸不幸

九月三日の震災日誌に書いて置いたN医学士、震災当日箱根へ往診に行っておられた間に、留守宅は潰れたうえに焼けてしまって、近所のW氏方へ避難しておられる。それが十四日(十月)に宅へ見えての話の中に、近ごろ方々でよく物がなくなる。人が見ているところでもかまわず持って行くものがあって嶮呑でならぬと言われた。

前号の余白録に書いておいた貧民と罹災民との区別を論じた人の意見のように、実際災厄を免れたものは二枚の着物を一枚脱いで罹災者に与うべきものだとの思想を持っているものもないではなかろう。またそれをよいことにし横着をきめこむものもないではなかろう。これからだんだん寒くなって、夜具も着物も碌に手に入らず、仕事はなし、あってもするのは嫌なりという連中が寒さに慄えるようになった時のことが案ぜられる。ことに彼らは群集しているのだ。

★罹災者の幸不幸

震災が生んだ不幸は今さら言うまでもないが、震災によって思わぬ幸福を得たものも、ずいぶん多いことであろう。昔は江戸の大火に材木を買いしめて大身代を起した紀国屋文左衛門という不都合な奴があった。今でなら暴利取締令によって、刑務所へ送られたのであったかも知れぬ。